わたくし率イン歯ーまたは世界

芥川賞作家の処女小説を図書館で借りてきて、通勤の往復の電車のなかで読みました。現代の樋口一葉と言われているそうですが、そちら確か中学だか「たけくらべ」読まされた記憶はあるけど内容は全く、もしかしたら「ガラスの仮面」の「たけくらべ」とごちゃごちゃになっているだけで実は読んですらいないのかもしれません。で、「わたくし率」は題名のとおり、歯が、奥歯が、わたし、という思考する部分、脳みそでもアレクサンダーシュルギンのように肺でもなく、この奥歯が、わたしなのです、という主人公の女が、テンポよい関西弁と連想ゲームのような語彙の並列でしゃべくりと思考を展開し、詩のように口に転がして滑らかなんだけれども、生理の、血の、鉄の、匂いに、拒絶反応出る人もいるかもしれませんな。で、主人公は歯科助手のバイトもやるのだけど、麻酔なしで、その、わたしのもとの、奥歯を抜いてもらうエピソードもあって、私は歯のとがった痛みにめっぽう弱く、実際に一昨日麻酔なしで虫歯を削られどうなるか、と「わたくし率」を思い出していたのでした。わたくしはどこまでいってもわたくしで逃げようがなく、無いから、妊娠出産はわたくしがある、にするわけで怖い、そんな恐ろしいことを妊婦は分かってしようとしてるのか、と、わたしと妊婦の会話なんかもあったりします、でも私が声をたてて笑って読めた箇所は終わりの方にでてくる、化粧お化け女の、主人公に対するキッツイ怒号、関西弁でまくしたてます。そこらへん。結構口語が痛快でもあります。で、受賞作「乳と卵」はまだ読み途中。

昨日は会社の上司がトリンプの社長の本、タイトル忘れたけど、会議でなにかを決めるのは二分以内で、ていう趣旨の本だった。一時間以内で読め、といわれ、そうした。

今日はフリーダムサンセット雨天中止でした。